『世界保健機関(WHO)』の住宅憲章には、「住宅は、安全で快適で、健康で、経済的でなければならない」と定められています。しかし、とかく見た目と低コストを重視してきたこれまでの日本の家づくりでは、残念なことにこれらの点が置き去りにされてきました。今こそ「FPの家」のコンセプトである。少ないエネルギーで100年もつ家づくりが求められるのです。
さらにこれからの社会を考える時、中古住宅を安心して流通させるためにも、住宅の基本性能を数値で明確にすることが必要であり、その性能は世界規模の問題となっている地球温暖化対策と切り離して考えることはできません。
「FPの家」が目指している、社会資本となる住宅=”資産価値のある家づくり”を追求した結果、これからのあるべき住宅として「CO2対策住宅」というひとつの形にたどり着きました。具体的には、「FPの家」の省エネルギー性能と耐久性能をさらに高めることで、”1戸あたりの年間冷暖房費[50%削減]”と”1世帯平均のCO2排出量[25%削減]”を実現する家づくりをめざすものでした。
いま地球規模でエネルギー問題が囁かれています。エネルギー資源のほとんどを輸入に頼る日本ですから、これからはできるだけ少ないエネルギーで暮らすことのできる家づくりが必要とされます。「CO2対策住宅」を普及させることで、家庭におけるエネルギーの使用を節約し、将来のエネルギー問題の解消に少なからず貢献できるものと考えます。
また、計画性のない森林伐採による地球の砂漠化も深刻な問題となっています。世界一の木材消費国である日本の住宅業界が、耐久性を高めた住宅をつくり、資材の再生やリサイクルを進めることで、限られた地球資源の有効利用を図ることができます。
「FPの家」ではウレタンパネルのゼロフラン化や、ゼロエミッションの考えに基づく産業廃棄物の軽減、木材のリサイクルやウレタンの再利用に努めています。これからの住宅産業は、エネルギー資源の有効活用や環境共生、産業廃棄物の削減が絶対条件となります。近い将来、本当に再生・リサイクルのできる住宅しか生き残れない時代が訪れるに違いないのです。